きりぎりす

3冊目。振り返り

心の教本にしている3冊のうちの1冊は、みんな大好き太宰治。
「きりぎりす」という短編小説。

太宰治が心の中の俗物根性をいましめるため、自戒の意味で書いたと語っている作品です。

「お別れいたします。あなたは嘘ばかりついていました。」
そこから始まる貧乏な画家と結婚した女性のひとり語り。成功したことでだんだん天狗となっていく夫に悲観して書いた別れ手紙がそのまま小説になっています。

この小説を読んだ時期は、商売をしていた父親の事業がバブル崩壊で大きく挫き、親族間でおきる人間関係の生々しい様相をすぐ真横で見ていた頃でした。人は変わるもの、いや、それもその物体のもつ個性なんだろうと十代にして達観したようなつもりになっておりました。

きりぎりすを読み思ったのは、自分がこれから社会に出て何かを成し遂げたとき、十代の自分がその姿を見てどう思うんだろうか。その時に感じた感情、悲しさ、侘しさ、怒り、そして醜さを覚えておこうと。

まぁ、ね。
いまだ何一つ満足に成し遂げてないんで、成し遂げた時に改めて読み返し、振り返りたいと思います。

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