京都府・綾部市との交流会を開催しました!

こんにちは、広報担当・澤です。

4月22日(水)の夜、我楽田工房にて京都府綾部市との交流会を開催しました!
綾部市は長年の地域づくりの取り組みや、空き家を活用した移住・定住促進で知られている自治体です。
きめ細やかな施策が功を奏し、平成20〜25年の定住実績で全国3位という実績を上げています。

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今回は綾部市役所から3名の方にお越しいただきました。
市の取り組みについて紹介していただいたとともに、後半は幅広い層の参加者を交えたディスカッションも実施。
週のド真ん中にも関わらず参加者はなんと30名超!質問や議論も活発に行われ、みなさんの関心の高さを実感しました。

それでは、白熱したひとときを振り返っていきましょう!

自己紹介 〜定住交流部長・永井さんより〜


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最初に定住交流部長・永井さんから皆さんの自己紹介。
綾部市では、市内の人口が年々減少していく中、転入・転出による「社会減」を少しでも食い止めようと様々な取り組みを行っています。

移住・定住促進を担当しているのが定住促進課長の吉田さん。
定住してもらう人には「地域の一員」になってほしいとの思いで施策を進めています。

そして限界集落を含めた地域振興と集落再生に取り組んでいるのが、水源の里地域振興課長の朝子さんです。

綾部市の定住サポート 〜定住促進課長・吉田さんより〜

<綾部市ってどんなところ?>

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ところで皆さんは綾部市ってどんなところかご存知ですか?
京都府のほぼ中央に位置し、京都市から電車で北へ1時間のところにある地域です。
地域づくりに関心のある人たちにはよく知られている一方、吉田さん曰く「何もないところなのかな?」と思われがち。
しかし、足利尊氏誕生の地であったり、下着メーカーとして有名なグンゼ創業の地であったりと、自慢できる点もたくさんあります。
中心となる産業はもちろん農業で、中でもお茶の栽培は有名だそうです。
あの「綾鷹」のルーツにもつながっているんですって!一気に親近感がわきます。

<U・Iターン者の定住施策>

現在、人口約3,5000人の綾部市。
今後も3,3000人以上の人口を確保するため、「医」・「職」・「住」・「教育」・「情報発信」の5本柱で「住みたくなるまち」づくりを進めています。
定住に関する活動を「あやべ定住サポート総合窓口」が一手に担っているという、全国でも先進的な取り組みです。

まず特徴的なのは、廃校を利用した「里山ねっと・あやべ」や「水源の里」の取り組みによる都市との交流。
いきなり都市からの移住・定住を促すのではなく、まずは「交流」から始まるという考え方で、農家民泊や田舎暮らし相談など様々な活動や情報発信を続けてきました。

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また、最近話題を集めている地域の課題といえば、増加する空き家の問題。綾部市では4年ほど前から空き家の流動化を進めるための取り組みを行っています。
空き家提供者への謝礼や、空き家バンク登録呼びかけ、自治会への呼びかけなどの様々な陰の努力があったんですね…!

そして何と言っても、総合窓口による地域・移住者双方へのきめ細かいサポートと対応。
綾部市の定住施策の理念は、若い子育て世代を主なターゲット層とし、地域の人たちと共に地域づくりの担い手になってくれる人たちに来て欲しいというものです。

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そのため、都市部での暮らしに慣れた人には馴染みの薄い習慣、例えば自治会や伝統行事などへの参加もあらかじめ理解してもらいます。
見学ツアーはあえて雪の降る大変な時期に行い、もちろん良いことばかりも言いません。
そして移住した際には一緒にご近所へのあいさつ回りをしたり、移住者の交流会呼びかけをしたりします。

ターゲットを見定めた理念のある取り組み。そして都市住民と交流を続けて何度も足を運んでもらい、地域の暮らしを十分に理解してもらう。
こうした地道な取り組みが、地域全体で移住者を受け入れる地盤をも築き上げてきたのですね。
その成果もあって、まさに子育て世代の30歳代を中心に、6年間で324人もの移住者を受け入れることができました。
最近では移住者のみの集まりも少なくなってきたそうで、移住者が地域に溶け込んでいることがよく分かります。

水源の里での集落再生の取り組み 〜水源の里地域振興課長・朝子さんより〜

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次に、綾部市が誇る「水源の里」の取り組みについての紹介。
「水源の里」とは高齢化率が50%を超えた集落、いわゆる「限界集落」のことを指しています。
振興策の対象集落を「水源の里」と前向きに表現し、「上流は下流を思い、下流は上流に感謝する」を合言葉に平成19年から条例を施行しました。
定住促進や地域の暮らしの向上などを目標に、各集落の特産品開発や伝統芸能の復活、地元出身者との交流会など、住民主体の集落再生と振興の取り組みを行ってきました。

一番若い人が65歳!というある集落では、92歳のあばあちゃんが家にいない!と大騒ぎになったことがあったそうです。
市役所の人たちや住民みんなで心配しましたが、おばあちゃんはパーマ屋さんに行っていたとか。
ほっと一安心ですね!
皆さんは「限界集落」と聞くとどこか寂しいイメージを持つかもしれません。しかし小さい地域だからこそみんなで見守り、助け合えるという見方もできるのではないでしょうか。

「田園回帰」が始まった! 〜この間まで学生だった澤より〜


ここで恐縮ながら、私からもお話する機会をいただきました。
大学の卒論で地方移住について研究した経験から、UIJターンのこれまでの流れや、今現在の状況についてご紹介。

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1960年代の「Uターン現象」に始まり、バブルでの移住ブームや「定年帰農」など、これまでにも何度かあった都市から地方への動き。
2000年代〜2010年代にかけてはリーマンショックや東日本大震災が転換点となり、地方移住の希望者や件数が増加、若者も含め幅広い世代からの関心を集めています。
今まさに都市から地方への動きが高まっているとともに、地方の暮らしに価値を見出す「田園回帰」と呼ばれる動きが見え始めています。

そこで今懸念されているのは、昨年登場した「地方消滅論」を受けての安易な移住者呼び込みです。
私が研究の中で印象に残っているのは、NPO法人ふるさと回帰支援センターの移住相談員の方のインタビューでの、「移住相談はまさに人生相談」という言葉です。
「UIJターン」には家や仕事以外にも、家族や地域との関係などもっと様々な問題が絡み合ってくるはずです。
移住希望者と受け入れる側、双方の地道な取り組み、そして地域づくりのビジョンがあってこその「UIJターン」であるということを、今回のイベントでますます強く実感しました。

パネルディスカッション

後半は参加者を交えてのパネルディスカッション!暮らしに必要な4つの要素をテーマに、それぞれ関わりの深い参加者から話題提起がありました。

①「家」 住みたくなる家 〜建築家・海田さんより〜

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移住するにあたってもちろん探さなければならないのは家。
江戸川橋付近の地域をアートで盛り上げる活動、「神田川アートブロッサム」代表の海田さんからは、「住みたい家は1人1人違うのでは?」、「同じ立場の人たちが集まれる場所があると嬉しい」という意見が。
永井さんからは、コミュニティにより溶け込みやすいという点から若い世代にきてもらえると嬉しいというお話がありました。
同じく建築家で神田川アートブロッサムのメンバー、大塚さんからは空き家を自由にDIYしたい、という意見もあがりました。

②「職」 働きたくなる職 〜就活中の大学生・青山くんより〜

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お次は「職」について。移住するにあたって、仕事をどうするかということも重要な問題です。
現在就職活動中・岩手出身の青山くんからは、今現在の選択としては東京で働きたいけれども、30歳代になれば田舎も選択肢に入る、というお話が。
実は常々東京から出たいと思っているなんて本音も飛び出しましたが、どれだけ「田舎」との接点を持てるのかが大事だと語っていました。
良いこと言う!

参加者からは、田舎には「仕事」というスケールでは測れない役割があるのでは、という声もあがりました。
永井さんによると、田舎では地域社会をはじめとした横のつながりの中で、自分を助けてくれる存在を得られるとのこと。
色々なチャンネルをもちたい人にはぴったりなんだそうです。

③「時間」 過ごしたい時間 〜文京子育て不動産・高浜さんより〜

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お次は「時間」について。
仕事以外の時間をどういう風に過ごしてみたい?どんなことを大事にして暮らしたい?
そんなテーマで、文京区で子育てを楽しむ家族のための不動産屋さん、「文京子育て不動産」の高浜さんからお話。
高浜さんは現在、文京区と相模原市での「二地域居住」を実践しています。
そして何よりも「子育て」と家族を第一に考えて日々過ごしているんだとか。都市での生活ではなかなか実現できないライフスタイルです。

そんな高浜さんは田舎と都市の良いとこどりを提案していきたい!と意気込んでいます。

④「コミュニティ」 〜我楽田工房代表・横山さんより〜

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最後に「コミュニティ」について。地域で暮らしていくためには、家や仕事だけでなく、コミュニティが非常に大事。
「我楽田工房」の活動とコミュニティスペースを通して、全国各地の地域や周辺の地域の人たちとつながってきた横山さんは、自分を解放して人に「来てもらう!」ことからはじめました。
地域のみなさんといいお付き合いをしていくために、自分なりのアプローチを考えることも大事かもしれませんね。

そのほか、女性の参加者からは子育てを応援してくれるあたたかい環境があると嬉しいという意見もあがりました。
家族で移住を決断する場合、女性の意見はとても大事ですね。

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永井さんからは、ただ暮らしの場を移すというよりも、地域で何かやりたい、一緒に地域づくりをやっていきたい人に来て欲しい!というアピールがありました。
そして、現在の若い世代には都市生まれ都市育ちが増えています。少しでも多くの若者や子どもたちに「田舎っていいなぁ」という体験をしてもらいたいとのことです。
綾部市に関心がわいた方は、まずは交流から!総合窓口に問い合わせてみてはいかがでしょうか?

終わりに…

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非常に白熱した今回のイベント、なんと40分も延長するほど中身の濃いものとなりました。
綾部市の皆様、そして参加してくださった皆様、ありがとうございました。
全国でも先進的な綾部市の取り組みは本当に勉強になることばかりでした。
今後、我楽田工房では建築家、不動産屋さん、学生など様々な仲間とともに地域づくりや移住・定住について考えていきます。
綾部市とも交流を続けて、良い流れを作っていけたら良いな!今後の情報発信にもぜひ注目してみてくださいね!