【アイデアソン・レポート】宮津というプラットフォームからビジネスを考える

横山です。

遅くなりましたが、2月6日に開催したアイデアソンの
結果をレポートにまとめました。


突然アイデアソンをやることを決めてから
開催まで1週間程度の期間しかないのにもかかわらず、
あっという間に12名の返事があり、
当日は10名の参加者に来ていただきました。

職業や肩書を並べると様々で、

・会社経営者
・ITサービスプロデューサー
・映像ディレクター
・グラフィックデザイナー
・UI/UX専門家、
・データサイエンティスト
・地域活性化コンサルタント

などなど、とても豪華なメンバーとなりました。

感謝感激です。

宮津アイデアソン

■「宮津というプラットフォームでビジネスを考える」

今回のテーマは、日本三景「天橋立」で有名な『宮津市』。

観光産業が盛んな宮津市でも、
人口の減少、地域経済の低迷、地域活力の衰退が続いています。

日本三景という絶対的なブランドを持つ宮津市というプラットフォームと、
東京で働く企業家やビジネスマン、クリエイターが繋がりコラボすることで、
一体どんなビジネスが生まれるのか。

参加者がすでに持っているすぐに使えるモノやサービス、
各種技術や人脈などをみんなで持ち寄ることで、
実現可能な地域ビジネスとはなんなのかを
アイデアソンによりまとめてみようという企画でした。

宮津アイデアソン

■AppleStoreニューヨークで売れまくる宮津の竹を考える

はじめにテーマ設定した「AppleStore」と「竹」は、
宮津を知らずしても知っていて、ワクワク考えられる題材。

自己紹介など遠慮がちに発言していた皆様のスイッチが一気に入り、
ばんばんと意見が出ていました。

本気の「タケコプター」など奇想天外なものから、
「AppleStoreを竹で作る」というアイデアや
個人的に欲しい「竹スピーカー」や「タンブラー」、
「iPadやiPhoneのカバー」などのアイデアが生まれました。

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■次の休みに行きたくなる「1泊10万円の宮津ツアー」を考える

10万円の価値を宮津で生み出せるのかという題材。

ディスカッションの中で意外だったのは
女性の方から飛び出た

「女性は身近なエステなどでも結構お金のかかる」

という意見でした。

男性は10万円という「お金」を起点に旅行の価値を判断する一方、
女性からすれば、自分が本当に得たいモノがそこにあり、
たまたま財布に10万円余分に入っていれば
「10万円なら普通に使うよ」ということでした。

サービス開発の世界では当たり前の発想かもしれませんが、
知識でなく、アイデアソンという体験の場から気付いたことは、
結構、重要なことだったりします。

Amazonで毎日小物を買いまくる僕の嫁の気持ちが
初めて理解出来たように思います。

宮津アイデアソン

■「宮津が○○してくれれば、人口が倍増するのに!」を考える

こちらは一転して、
現状の宮津の課題を外側からポジティブに考えるものです。

宮津市は人口2万人弱ですから、
あと2万人ほど増やさなければなりません。

意見を抜粋すると、

「税金の優遇」
「教育の充実(工業系の大学など)」
「wifi環境などのインフラ整備」
「ベンチャー支援、サテライトオフィスを作る」
「サッカーチームを作る」

女性では、

「子供の育てやすい環境」
「子供の持つ家庭を褒め称える」
「最高の助産師を集める」

といった意見がでていました。

個人的に突き刺さったのは、
「200人の会社を100社呼べばいいじゃない」という
ノルマ達成型の発想です。

例えば50人の会社を400社だっていいわけです。
でかく一発当ててやろうじゃなくて地道にコツコツと。
経営者として、ぜひ学びたい発想です。

宮津アイデアソン

【アイデアスケッチ】「半年後、宮津で始めるビジネス」を考える

アイデアが出揃ったあとは、
各自で自由に宮津でやりたいビジネスを考えて貰いました。

[Idea1] 海の京都の幸・お食事処+海の幸販売!/女子旅プロデュース

 
宮津の特産物を活かした事業。
女性がもっと宮津にきたくなるような、元伊勢などの
歴史スポットめぐりや温泉、エステなどをプロデュースする
事業を提案しています。

地元の料亭や旅館、温泉を経営されている方と一緒に
「10万円宮津ツアー」を考えるアイデアソンを行うと、
さらに面白いアイデアがでるかもしれません。

[Idea2] 宮津のプログラミング言語を作る

地域でプログラム言語を作るという、
ITパワー全開の地域活性化プロジェクトです。

もし本当に地域から発信するプログラム言語ができるなら、
これは日本だけでなく世界的な話題となり、
各国の技術者が宮津に集まるかもしれません。

地元の大学やIT企業などと共に、産学連携、距離を超えた
ITプラットフォーム、見たいです。

[Idea3] 竹をメインにした商店街!

~テーマ性のあるデザインのまちづくり~

竹をメインにした商店街を作るプロジェクトです。
竹を個別に押し出すのではなく、
竹を扱う商店が一つの区域に集まった、
1日滞在しても飽きない「道」をつくる。

竹製品の販売や竹の食事処、たけのこ狩り体験、
竹のエステサロン、竹自転車によるサイクリングなどなど。

また、竹の商店街だけなく、各々の商店街やスポットごとに、
別のテーマをデザインすることで、
宮津全体を特色のあるデザインの町にするという素敵な
アイデアも出ました。

[Idea4] Bamboo村プロジェクト

商店街だけでなく、ある特定地域全体を竹だらけにしようと
いうというプロジェクトです。

Bamboo村で作られた製品やサービスはネット販売も。

スポンサーも基本は竹関係のみの徹底ぶり。

当然、電力やガスなどのエネルギーも竹を利用します。

[Idea5] 竹林の中にサテライトオフィス

東京に本社がある会社のサテライトオフィスを宮津に作るという、
経営者ならではのプロジェクト。

オフィスは竹をモチーフにした民家をコテージ風に。
家族のいる社員が喜んで働けるように、託児所や美味しい社食
なども充実させます。

誰もが羨ましがる環境を美しい里山で作れば、
おのずと地域で働きたいという若者が増えるはずですね。

[Idea6] 日本一住環境インフラを整える事業

 ビジネスを活性化するために、宮津市全体のインフラを整える。

・宮津市全域をWiFi化。
・産学連携した竹ビジネスラボ
・警備会社と組んだ介護サービス
・オンライン教育サービス
・子供を持つ親に特権を付与

天橋立に拘るのではなく、新しい見所を作る。
その意味でも「竹」という切り口は大事!

[Idea7] スポーツ観光プロジェクト

3人がスポーツ観光事業を提案。

◆「天橋立マラソン」
 ~3万人が天橋立を走る

◆「自転車ツアー」
 ~竹の自転車を使う

◆竹を活用した「竹トライアスロン」
 ~すべての協議に竹を使う

◆「スポーツーリズム」
 ~体育館や競技場などを充実させる

宮津の美しい景観とスポーツはとてもマッチしますね。

宮津アイデアソン

【アイデアをカタチにする】「2020年、宮津と東京が組むことで宮津のビジネスはこう変わる」

これまで生んでいただいたアイデアを元に、
未来の宮津を「雑誌」という形でまとめていただきました。

2020年といえば東京オリンピックが行われる年であり、
そこへ向かうまでの間に日本中で大きな分岐を迎えると
言われています。

こうした中、様々なアイデアの「種」を生み出した
皆様からどんな未来が見えたのか。

やはり、竹とオリンピックいうキーワードは強烈でしたね。

「竹リンピック」や「竹トライアスロン」、
3万人が天橋立を走る「天女マラソン」などが生まれました。

宮津アイデアソン

実際にやってみて

今回、初めて会う人たちも多かったため、
アイデアソンの進行や内容に非常に悩むところがありました。

実際、煮詰まっている仕事の合間に打ち合わせを行い、
脚本やスライドをほぼ徹夜状態で作成。

また、宮津の情報を事前に知ってもらうためのメルマガを
作って配信したりする作業もそれなりに時間がかかりました。

(読まれないだろうなと思っていたメルマガ、
 全員が読んでくれていたようで嬉しかったです。)

時間がない中、ドタバタと当日となってしまい、
ほんとうに大丈夫なのかと内心、焦っておりましたが、
その不安も何のその。

終わってみれば数多くの気付きとアイデアが生まれた
アイデアソンとなりました。

個人的には、最後の雑誌は、日にちを改めてやりたいところですね。
実際、新規事業や商品を作るワークショップは、
最低でも3回程度に分けて開催するべきだそうなので、
今後、別の形で実現したいと思います。

最後に、このアイデアソンの内容は簡単なレポートにまとめ、
2月8~9日に宮津市で開催された「里山ビジネス会合」にて、
京都大学経済研の佐分利先生がファシリテートする
総括討議の中で提案しました。

その様子や経過は、また別の記事として投稿する予定です。

それにしても、地域をテーマとしたアイデアソンって、
ワクワクしますね。

ここから百年後も必要とされるカタチが生まれるように、
今後も積極的にワークショップをを開催していこうと思います!

ではでは!

宮津アイデアソン

参考

今回のアイデアソンを実施するにあたり、
いくつか参考にさせていただいたものがあります。

ワークショップをつくる 90分でわかるイノベーションを生む場づくり

中西紹一さんの著書「ワークショップをつくる」を参考に全体を構成しました。
こちらの本は、ワークショップを作る方にぜひ読んでいただきたい一冊です。
なお、kindleのみの販売です。

また、最後の共同作業である「雑誌を作る」という手法は、
ロフトワークさんが実施したアイデアソンを参考にしています。
表紙、目次、中身という3つの要素でまとめるので、
とてもイメージしやすいワークショップとなりました。

ありがとうございました!