つなぐ人フォーラムってなんだろうって話。後編。

花粉症が始まりました。横山です。

2月某日、立教大学の中西紹一先生からのお誘いで行くことになった『つなぐ人フォーラム』の最終日(3日目)の振り返りです。

つなぐ人フォーラムはすごかった話。前編。
つなぐ人フォーラムは熱かった話。中編

2日目、最後の自分のワークを終え、出来には満足できなかったものの、45分間の義務を果たしたということでかなりホッとしました。

そんな安息の時間も束の間。
夕飯が終わったあと、自由エントリー可能な 2.5 時間ワークショップの説明が行われました。

2.5時間ワークショップって何?

いろんな人から噂には聞いていた2.5時間。

2日間の濃い時間を共有した参加者がチームを作り、3日目の午前中、なんらかのワークを考え実施するというもの。

中西先生の言葉を借りるなら、つなぐ人フォーラムの真の価値は、まさにこの3日目に実施される2.5 時間ワークショップにあります。

ただ、僕には一抹の不安がありました。
企画を考え実現させることは大好きなので、どんなテーマでもワークショップを作る側に参加したいけれども、最初の「チームを作る」という過程が、人見知りの僕にとってはとても苦手なこと。

「自分から声をかけるのはなんだか恥ずかしい。」
「声をかけて断られたらいたたまれない。」
「このまま誰からも声をかけられなかったらどうしよう。」

でも、ご安心あれ。
ここで実行委員会のメンバー、ツナギストたちが、僕のように本当はやりたいけども右往左往している参加者をみつけ、次々と出来上がりつつあるチームの輪の中に入れてくれます。

つなぐ人フォーラムは、この絶妙なサポートが至る所で設計されているので、初めての参加者でも安心してワークに取り組むことができます。

僕の場合、ツナギストの村上和博さんからオファーを頂き、無事、チームに入ることができました。

村上さんは富山で朝活など様々な活動をされている方として来ています。
(実は、ツナギストだったことをずっと知らず、後日知りました!!!)
休憩時間のときに少しお話しただけでしたが、とにかく2.5時間のワークショップを企画したい、熱い人達と一緒に何かやりたい。そんな強い思いから、積極的に色んな人に声をかけてるとのこと。
しかも、村上さんも僕と同じく人見知りだと言うじゃないですか。

つなぐ人フォーラムは、様々な人の挑戦の場でもあるようです。

「遊び」をテーマになんかやろう!

村上さんは、本当にすごい。

短時間の間に、45分プログラムや10分プレゼンで講演した人たちを、なんと4人も集めていました。

・積み木の「園田ひでふみさん」
・マヤ文明すごろくの「五木田まきはさん」
・グラフィックレコーディングの「鈴木さよさん」
・そして、コインゲームの「横山貴敏」

自分で言うのも何ですが、全員、とてもとても濃い人ばかり。

濃いメンバーで話し合った結果、共通するのは「遊び」だよねっていうことで、「大人の遊び場」がテーマとなりました。

そして、園田ひでふみさん、五木田まきはさん、横山がそれぞれの分野の遊びの時間をつくり、それを鈴木さよさんがグラレコしていくという、即席ながら豪華なプログラムが生まれました。

肩書きのないオトナノアソビバ、始まるよ!

2日目の朝食後、ロビーの上にある踊り場という不思議な場所で、「オトナノアソビバ」が開催されました。

【1時限目】積み木

トップバッターは園田さん。テーマは「積み木」。
三角柱を8個つなげた不思議な積み木を使って展開する桃太郎の話は、みんなお腹を抱えて笑いました。

その後、みんなでその積み木に挑戦しましたが、たった8個の三角柱が創りだす世界が、実に面白い。
創作力と想像力が重なることで、無数の物語が生み出すことができることを、園田さんのワークで体験できました。

そして出来上がった、鈴木さよさんのグラレコ。

【2時限目】マヤ文明すごろく

二番手は五木田まきはさんのマヤ文明の遺跡の床に刻まれたすごろく。
僕は2日目の45分プログラムで体験しましたが、ここでも大人気。

このすごろく、ルールがかなり複雑なのですが、最初のルールに縛られるのではなく、自然な流れで、みんながやりやすいルールへと臨機応変に変えたりしながら進めました。

そういえば子供のころ、いろんな年齢の子どもたちと一緒に遊ぶ機会があったとき、同じようにいろんなルールに変えたりして遊んだ経験ありませんか。

純粋な遊びは、仕事やギャンブルとは違います。
みんなで楽しむという本来の「目的」を最後まで忘れない、本当にいいワークでした。

本場ホンジェラスではサイコロの代わりに豆を使うそうですが、いつかそれを再現したいですね。

そして完成した鈴木さよさんのグラレコ。

【3時限目】統計力学なコインゲーム

最後は僕のコインゲーム。
2日目のプログラムもやった、お金の流れをコインを使って体感するゲームです。

サイコロの目だけでコインを振り分けるという単純なゲームですが、ルールは公平なのに、何度やっても少数の金持ちと多くの貧乏人ができるという不思議な体験に、みんな大盛り上がり。

コインの少ない人が生まれると、みんなから「がんばれ!」と応援されるシーンがあったのですが、これって実際のまちづくの世界でもおこりますよね。貧困は見えればその凸凹を整えようと場は動くけれども、見えなければ差は広がっていく。
遊びの中でそれが体験できるのです。

なんだろう、この感じ。この感覚。

なんと、僕のワークも鈴木さよさんが見事にグラレコでまとめてくれました。

【4時限目】グラレコで振り返り

遊びつくした後、鈴木さよさんが描いたボードをみんなで囲み、振り返りをしました。

「オトナノアソビバ」は、鈴木さよさんがまとめたイラストと言葉をたどることで、ただの「遊び」でありがながら、深い考察を引き出してくれます。
各々が各々の視点からの「遊び」について語ることができました。

今回の2.5時間でやってきたどの遊びも、表面上はただの遊びだけども、じっくり考えてみればとても奥が深く、人間による創造と想像が重なり合うものでした。

そしてなによりも、遊びはコミュニケーションそのものであり、小さな集団ながらコミュニティを形成していく過程は、世の中の縮図のようなもの。

そんな話を熱く語っているとき、ふと、灘高の元講師、橋本武先生の話を思い出しました。

「遊びでも何でもいい。少しでも興味をもったことから気持ちを起こし、どんどん自分で掘り下げていく。そうやって自分で探して見つけたことが財産になる。」

橋本先生は、遊ぶ感覚で学ぶということを実際の授業の中に取り入れ、灘校を東大合格者数日本一に導いた功労者です。

今回の2.5時間ワークショップ「オトナノアソビバ」は、まさに僕たちの興味を引き起こす場であり、財産であったと思います

【参考】 明治の人 第31回 橋本 武さん
https://www.yumephoto.com/ym/voice/voice31.html

つなぐって、なんだろう?

2.5時間ワークショップが想像以上に盛り上がり、最後の集合写真を笑顔で撮り終えた時、つなぐ人フォーラムの全プログラムが終了しました。

来る前は、自分が行うワークのことが頭から離れず常にドキドキしていましたが、実際参加してみると、皆さん真剣で、そしてなにより楽しんでいて、いつの間にか僕もその輪の中に溶け込んでいました。

つなぐ人フォーラムは、人とつながるフォーラムでした。
そして、発表する人も、参加する人も、すごい人だらけでした。

僕の思うすごい人とは、特殊能力がある人ではなく、何かにに興味を持ち、そして打ち込み、新しいものを生み出そうと小さくとも一歩を踏み出す人。

つなぐ人フォーラムは、そういう目的をみんなが持ち、共有されているからこそ、素晴らしい場をいくつも生み出しているのかもしれません。

ここで得た貴重な体験を忘れず、自分の強みをさらに研ぎ澄まし、もっともっとギリギリでぶっとんだことに挑戦し、また皆様の前で発表したいと思います。

最後となりますが、一瞬の出会いでも僕に多くの知見を与えてくれた参加者の皆様、この素晴らしいフォーラムを企画運営している実行委員の皆様、キープ協会の皆様、ボランティアでお手伝いしてくれた皆様、本当にありがとうございました。

また、この素晴らしいフォーラムに誘っていただいた中西先生、重ねて御礼申しあげます。

長くなりましたが、つなぐ人フォーラムの振り返りを終わります。

ではでは!

つなぐ人フォーラムはすごかった話。前編。
つなぐ人フォーラムは熱かった話。中編
つなぐ人フォーラムってなんだろうって話。後編