こんにちは、澤です。
9月24日、我楽田工房で「地元びいき」さん主催の公益財団法人トヨタ財団「国内助成プログラム」説明会が開催されました。

説明会は、トヨタ財団の喜田さんより「助成金とは何か」についてのお話に始まり、次いで実際に助成を受けた「NPO法人 南房総リパブリック」理事長の馬場未織さんによる体験談、更にフロアからの質問を交えたトークセッションなど、非常に充実した内容となりました!
そして、参加者の皆さんの真剣な眼差しにはびっくりさせられっぱなし。
とっても盛り上がったひとときを振り返っていきましょう!

はじめに〜地元びいき 和田さんより〜

今回の説明会は、日本中に溢れる「地元愛」を集約したポータルサイト、「地元びいき」さん主催での開催となりました。

その代表を務める和田さんから、今回の開催に至った経緯についてお話が。

ご自身も地域に関わる様々な取り組みをされている和田さんですが、「地元びいき」立ち上げ当初、事業モデルもまだ未熟なうえに、概要もつかめないままに助成金申請にトライし、撃沈した経験をされたそうです。
さらに振り返ろうにも、何がダメだったのか課題と対策が打ち出せないということが一番の問題だったといいます。
その経験から、「いつか申請者側に立った説明会を企画したい!」との思いと、トヨタ財団さんとのご縁で、今回の説明会が実現したそうです。

また、こういった説明会のほとんどが東京なので、今回は遠方の方にも情報を届けたいと考え、Ustream配信にも初チャレンジしたと仰っていました。

助成金について

ということで!トヨタ財団の担当者の方から、助成金そのものと、今回の助成プログラム、申請にあたってのポイントについて解説がありました。

まず、トヨタ財団のプログラムには、財団の「時代のニーズに対応した課題を解決していきたい」という思いが込められています。
特に今回のテーマは、メディアでも大きく取り上げられている人口減少社会や少子高齢化を背景とし、地域社会全体への貢献、持続可能な社会づくりを大きな目的としています。

そのため、ただ助成をする・受けるという関係を超えた、同じビジョンを持ったパートナーとしての関係を築ける存在が助成の対象となるわけですね。
地域への貢献を考え、新しいシゴトを起こしたい!という人にぴったりな内容となっています。

助成にあたってのポイントは、まず、期間が限られているものなので、事業のスタートアップの段階で使うのが好ましいということ。
また、助成が終わってからのビジョンをある程度しっかり考えておくことも必要だとか。

質疑応答

ここで事前に預かっていた質問に対する回答。いくつか抜粋したいと思います!

Q.助成金の種類にはどのようなものがあるのか
A.本プログラムではプロジェクト助成を行っているが、組織の立ち上げや組織の成長を目的とした組織助成を行っているところもある。目的に応じて申請場所を考えると良い。

Q.助成の対象地域は?
A.実際に活動を行う地域は市町村単位以下の規模。
プロセスの中で他の地域との連携を図るのはかまわない。

Q.プロジェクトチームとして関わるメンバーの範囲
A.基本的には、人数規定はない。企画書にはある程度実働的な人を書いていく。
しかし、少なすぎると事業を回せるのかどうか、多すぎても全ての人が関われるのかという疑問が審査で生じる。

Q.助成金の支出額と予算に大きな差額が出た場合はどうするのか
A.助成が決定した段階で改めて支出計画を出すので、財団と相談しながら計画をつくっていく。
また、計画通りにいかない場合はあるはずなので、適切であれば変更は可能。

ゲストスピーカー・馬場未織さんによる体験談

次に、ゲストスピーカー・馬場未織さんによる体験談!

馬場さんは建築ライターで、平日は東京で過ごし、休日は千葉県南房総市の里山で暮らすという二地域居住を実践しています。

二地域を行き来する中で、里山環境の保全や都市農村交流などを考えるようになり、3年前に東京と南房総の交流を図る組織・「南房総リパブリック」を立ち上げました。

2011年度トヨタ財団の助成金を受け、里山自然体験を行う「里山学校」、東京に野菜のおいしさを届ける「洗足カフェ」、里山の居場所「三芳つくるハウス」などの事業をスタートさせ、里山環境の未来の担い手づくりに取り組んでいます。

実際に助成を受ける中で、財団とパートナーのような関係を築きながら事業を進めていったそうです。
馬場さん自身、助成を受ける前はこのような関係になれるとは思っていなかったそうで、他の助成とのスタンスの違いにも驚いたとか。

また、今まで受けていた市町村の助成には制約が多く、苦労した面もあったそうですが、トヨタ財団の助成は幅広い使い方ができたことがとてもありがたかったそうです。

そして助成を終えて迎えた今年は「自走」を開始した訳ですが、よくある悩みというのが、まさに終了後にどうすれば良いのか…ということ。
馬場さんは周囲の人たちからもよくこのような悩みを耳にし、常に助成終了後のビジョンを意識し、収益を確立してきたと仰っていました。

トークセッション&フロアからの質問

ここで、和田さんも含めてトークセッション。フロアからも数々の質問が飛び交いました!いくつか抜粋していきます!

和田さん お話でも出てきましたが、活動のどのような段階・タイミングで助成を申請したんでしょうか。

馬場さん 最初はとにかくやりたい!という思いはあるんですが、明確な目的があったというわけではありませんでした。
助成金の目的に合わせて自分たちの考えをブラッシュアップしていこうという感じで、企画書を書くことがきっかけになりましたね。そのくらい、初めの段階で申請したという印象があります。

和田さん 企画書を書いているとお金をとるための企画という意識になりがちですが、そうなると後で色々と変わってくる部分がありそうですよね。
特に、スタートアップの時点で、何がイニシャル(初期投資費用)で何がランニング(運転費用)なのか、という住み分けが難しいと思うのですが…。

馬場さん 最初は表を作りましたね。短期目標・中期目標…と言った感じで、どのプロジェクトを、いつまでに自走させるかということを全部表にして目標計画を立てたんですね。そうすることによって足りないところなどが見えてきました。
助成中の2年間のことばかりを考えるのではなく、5年後程度の中期目標くらいまでのビジョンを持った方が、後々困らないと思います。

和田さん 最初は助成金にモルヒネ的イメージがあって(笑)。なくなった時に耐えられなくなるのではないかと思っていたんですが、エンジンをかけるために使えれば良いですよね。
そうとは思いながらも、予算の立て方など難しいですよね…そのあたり、企画書の書き方なども含め何か気をつけることはあるのでしょうか。

喜田さん やはり、企画書の質問にもありますが、助成後の運営はある程度考えておく必要がありますね。最初から全部助成に頼らずに、収益を得る仕組みを意識すると良いと思います。
また、助成をとると、色々な人に話がスムーズにできることがあると思うんです。そういった、助成を受けて活動を行うメリットを生かしていってほしいと思います。

助成をとると色々と忙しいことも増えてくるんです…そこは覚悟が必要ですね。後は、助成を応募する人はたくさんいるけれども助成金を出している団体って少ないんですね、なので落ちて当たり前なんです。それはそれで、相性が悪かったんだな、また相性のいいところに出してみようという風に、落ち込まないのは大事ですね!
まずは企画を書いてチャレンジしてみることによって、自分たちのやりたいことについて改めて考えるきっかけにもなると思います。

会場から 想定外の事態には馬場さんはどのように対処したんでしょうか。

馬場さん やっているうちに色々と忙しくなってしまって、やりたいことに対してマンパワーが足りなくなったりする事態が起こったりするんですよね。失敗したときはそれは落ち込みますが、1回のことに全力投球するというよりは、どうしたら長く継続できるかを考えていきました。
長く続けていくうちに、谷があることも理解できるんですよね。

会場から 今回のテーマである「地域に開かれた仕事」ですが、ビジネス的なものを想定しているのでしょうか。それとも、役割などの幅広い意味でとらえて良いのでしょうか。

喜田さん ある程度事業として収益で回せるものを想定しています。
しかし、起業や完全なビジネスモデルづくりを支援するというよりは、例えば本業がありながらやっていける仕事など、もう少し幅広いものを想定しています。

最後に

今回の説明会で驚いたのはそのとっても充実した内容!
助成の説明だけでなく、一歩進んだ具体的な話や、地域課題に取り組む上でのヒントが随所にありました。
参加者の方の熱心な質問により、主催者・参加者が相互的に会をつくっていけたのも良かったですね。

こんなにじっくりと質問に答えてもらえる機会はなかなかないので、助成金の基本知識に加え、申請するときのポイント、事業の進め方など、より具体的なイメージもわいたのではないでしょうか。
実際に様々な活動をされている馬場さんの体験談も、どれも参考になることばかりでした。
今回の説明会が、地域社会の未来をつくる新しい取り組みを生み出すきっかけになれば良いですね!
ではでは!

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