「グリーンツーリズム」に挑戦。【よそ者による村おこし】
横山です。
山が恋しくなってきました。
長野県小川村で実施している地域活性化プロジェクトの続きです。
※前回の記事
◆縁もゆかりもない都会の「よそ者」が「村おこし」に挑戦。~はじまり~
■ 都会の住民は田舎に飢えている!
グリーンツーリズムを国家事業として提唱している農林水産省によると、
農山漁村地域において自然、文化、人々との交流を楽しむ
滞在型の余暇活動のこと。
ヨーロッパでは余暇に農村で滞在する過ごし方が普及しているようで、
英国ではルーラル・ツーリズム、グリーン・ツーリズム、
フランスではツーリズム・ベール(緑の旅行)と呼ばれているそうです。
そういえば、子供が大好きなNHKアニメ「おさるのジョージ」を見ていると、
黄色い帽子のおじさんは都会のマンションに住んでいますが、
たまに田舎の一軒家に行きます。
※参考
◆おさるのジョージ(NHK)
ストーリー上でなんの説明もないですが、
あきらかに黄色い帽子のおじさんとおさるのジョージは、
日常的にグリーンツーリズムをやっていて、
いつもアニメを見ていて、そんな生活に憧れていました。
「いつかジョージのような暮らしができたらいいなぁ。」
「子供に田舎を体験させたいなぁ」
だったら、自分たちで企画するしかない!
ということで、
小川村で繋がったNPO美しい村小川・絆のネットワークさんや
地域おこし協力隊の協力のもと、
グリーンツーリズムイベントを企画することにしました。
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■ 【知りたい】小川村はどんなところ?
横山の祖父は長野県生まれだったので、
子供の頃といえば休みになるたび
祖父の家がある八ヶ岳の麓の茅野市に遊びに行きました。
茅野市は観光地としても有名なところで、
蓼科高原や霧ヶ峰などの地名で知っている方も
多いと思います。
小川村も同じ長野県とはいえ、
北アルプスがそびえる北部に位置しています。
茅野市からの距離だと約100kmほど離れています。
当然、景色も違えば、人も違います。
グリーンツーリズムイベントを始めるにあたり、
「小川村はどんなところなんだろう?」と、
村中を車でまわり、住んでいる人たちから話を聞きました。
横山が思う、
特に素晴らしいと思ったところを6つあげます。
(1)「おやき」の発祥の地である。
「おやき」とは、小麦粉や蕎麦粉などを水で溶いて練り、
薄くのばした皮で小豆、野菜などを包んで焼いた食べ物です。
最近、お祭などで売られているのを見かけますが、
長野県を代表する郷土料理の一つです。
小川村の中には「おやき村」と呼ばれている「小川の庄」という
囲炉裏で焼いて食べれる施設があり、
小川村で人気の観光スポットとなっています。
ちなみに、僕の好きな「おやき」のあんは野沢菜です。
※参考
◆信州 小川の庄
(2)「日本で最も美しい村」である。
小川村は、「日本で最も美しい村」連合に加盟しています。
「日本で最も美しい村」連合とは、
フランスの素朴な美しい村を厳選し紹介する
「フランスの最も美しい村」運動を参考に作られた連合で、
小川村は認定されるための厳しい資格審査に合格しています。
明治時代に人力で作られた石積みの砂防がある薬師沢石張水路群や
村のあちこちに見られる棚田や段々畑、
東京スカイツリーよりも高い場所からの北アルプスの絶景と
満点に広がる星空の美しさは、ぜひ一度体感してもらいたい。
※参考
◆「日本で最も美しい村」連合
(3)本州の重点「へそ」がある!
小川村には、「へそ」と言われる本州の重心がありました。
テレビ番組の企画で本州を平面図で見た場合の重心を計測したところ、
「東経137度58分40・2708秒、北緯36度39分17・75736秒」
の地点の法地地区が、重心だということが判明したそうです。
「日本地図から本州の形を切り抜いてへそに重心点を置いてみると、
ちょうどヤジロベエのようにバランスが取れる」
そうです。
最近、この「へそ」という名称にちなんだ
宿泊施設「ゲストハウスへそ」や
音楽イベント「へそロック」などが立ち上がり、
若者を中心に徐々に浸透してきています。
また、重心地の現場には不思議な、、、というか、
とても「アレ」な感じなお賽銭箱が印象的です。
小川村に行ったら、ぜひ一度は行って欲しいスポットです。
(4)お年寄りが元気な村である。
小川村のある長野県は、
男女ともに平均寿命日本一という話は有名です。
※参考
◆長野県、長寿日本一の秘訣探る 保健・医療データ基に分析
また、長野県は高齢者の就業率でも日本一だそうで、
小川村でであったおばあちゃんたち全員、
今も畑で野菜を作っていました。
※参考
◆長野県の特長
小川村は65歳以上の比率は42.3%と高齢者の比率が高いので、
元気なお年寄りが多く住むということは重要なポイントだと
思いました。
(5)野菜が激ウマだった!
小川村のお年寄りのほとんどは、
自分の畑を持っていて野菜を育てています。
僕が出会ったおばあちゃんによると、
自分と子供と孫が食べる分だけ好き勝手に作ってると
言っておりました。
本当に羨ましい限りです。
村にある道の駅おがわには
「さんさん市場」という野菜の即売場があり、
小川村以外から車でやってくる人たちで
賑わっていました。
実は滞在中は、でてくる食事をただ旨いなと思って食べてましたが、
さんさん市場で「葉物野菜」を自分の母親のおみやげとして
大量にあげたら、翌日、
「久しぶりに味のある野菜を食べたけど、どこで買ったの?」
と連絡してきてびっくりしました。
身体の半分以上ジャンクフードでできている横山とは違い、
うちの母親は料理がとても上手だと近所でも評判なので、
間違いなく、小川村の野菜は桁違いに美味しいはずです。
※参考
◆さんさん市場
(6)漫画になっている。
ちょっと変わったネタとして、
小川村を舞台にした角川コミックスから発売されている漫画
「JA~女子によるアグリカルチャー~」がありました。
小川村出身の唐花見コウさんが協力して書かれている漫画だそうで、
実際に取材に赴き、風景や習慣などを作品にも忠実に再現しているとのこと。
小川村を調べている過程で見つけたのですが、
最近はアニメの舞台となった場所が観光地として人気になることもあり、
こうしたネタあるだけでも非常に恵まれた土地であると実感しました。
他にも重要文化財のあるお寺や歴史ある神社跡、
天文台や野外ステージのある公園などなど、
歴史好きにはたまらない名所が点在しています。
角川書店(角川グループパブリッシング) (2011-10-01)
■ 小川村のポテンシャルは半端なかった
小川村は、深い森と山の中にあり、
古い時代から人間によって少しずつ開拓され、
厳しい自然とともに人が住み続けている場所でした。
そのためでしょうか。
とても素晴らしい意味として泥臭い人間の力強さと
土と木々の匂いを肌で感じました。
出会ったお年寄りや若い人だれもが、
自然とともに実にたくましく暮らしているのです。
小川村は観光地化された美しさとは違う、
日本の農山村の原点に触れることができる
美しい村だったと思います。
この素晴らしい村で、よそ者の自分に何が出来るのでしょうか。
むしろ、何もやらないほうがいいのではないかとさえ、
思ってしまうのです。
何もわからないまま飛び込んだ地域活性化事業ですが、
この領域で自分の手の届く範囲はどこまでなのか。
一つ一つ確かめながら、一歩一歩進もうと思います。
長くなったので、今日はここまで。
次回は、グリーンツーリズムイベントの中身を関係者のみんなと考えた
話を書こうと思います。
ではでは。
■ 地域活性化に取り組んでいる・取り組みたい皆さま、交流しませんか?
同じように少子高齢化などの問題を抱える農山村の関係者や、
地域を応援したいと思っている方がいらっしゃいましたら、
ぜひ情報交換や活発な交流をしませんか?
今後、都会と地方の交流のほか、
農山村同士の交流できる仕組みやイベントなどを企画したいと思っています。
一人ひとり、個々で悩むのではなく、同じ課題を抱える同士が集まり、
みんなで考えていく「場」を作りたいと思っています。
もし、身近に町おこし、村おこしなどをやられていて悩んでいる方がいましたら、
お気軽にお声をかけ頂けると幸いです。
連絡は下記をどうぞ。
◆連絡フォーム
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