「地域の記憶は後世に伝えられていくベき大事な資源」- Shirakawa Week 実行委員長・青砥和希さんインタビュー<前編>

こんにちは!毎日暑いので、ついつい干し梅を大量に食べてしまうインターンの澤です。

さて、今回のブログは前回に引き続き、『Shirakawa Week』についての記事です!

Shirakawa Weekについてもう一度おさらい!

SW写真②

ここで、Shirakawa Weekについておさらいしましょう。

Shirakawa Week(以下SW)とは、福島県白河市で行われる2週間に渡るイベント。
「白河のために何かしたい」という熱い思いをもった大学生を中心に運営されています。

2012年に始まり、3回目となる今回は8月1日からただいま絶賛開催中!

前回のブログで、イベントの紹介と現地レポートの予告をさせていただきました。
こちら(https://bono.co.jp/2014/07/29/5325.html)も合わせてご覧ください!

今回はSW実行委員長のインタビュー<前編>です!

今回は、そのSW実行委員長を務める青砥和希(あおと かずき)さんのインタビュー<前編>です。

青砥さんは大学院の修士1年。福島県矢祭町出身で、白河市の高校に通っていました。
大学進学を機に上京し、現在は人文地理学を研究しています。

それでは、インタビューをどうぞ!

教育実習で前実行委員長と出会ったことがきっかけ

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—— 早速なんですけど、SWには県や市をはじめ、地域住民、研究者、NPO職員など、本当に様々な人が関わっていますよね。
かなり力の入った企画だなと思うのですが、こんな一大プロジェクトの実行委員を務めることになったきっかけは何だったんですか?

青砥 去年、出身高校で教育実習に行った時に、前実行委員長に出会ったのがきっかけですね。
同じ実習生だったんですけど、こんなプロジェクトがあるから、ぜひやってみないかと。

—— そうだったんですね〜、昨年のSWには委員としてではなく、参加者としてシンポジウムに行ったそうですね。
それから1年後には委員長になってしまったと(笑)

青砥 えぇ、なんとなく、自然の流れで…(笑)。

まずは自分たちが地域のことを知る必要がある

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—— 今回のテーマは「伝える」ということで、地域の歴史や営みを記憶としてアーカイブすることが大きな目的になっています。
これは青砥さんの研究する地理学にも大きく関わってくる視点ですよね。

青砥 そうですね。もともと、都市と地方の関係について関心があったんです。
地方は都市から「まなざされる側」。
特に、震災後は外から“フクシマ”と言われること、また福島を一緒くたに扱われることにすごく違和感を感じて…。

—— そうですね、何かと都市、特に東京を中心に社会が回ってしまっている。
そして、中心は地方のイメージを勝手に作り上げてしまう訳ですね。

青砥 でも実は、そうは言っても、自分たちだって地元のことをよく知らないんですよね。

—— 確かに…。

青砥 中央からの偏った見方に異を唱えるためには、まずは自分たちが地域のことを知る必要がある。
それが、今回のSWでフィールドワーク、まち歩きをやる理由です。

地域の記憶はその地域にしかない、固有のもの

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—— フィールドワーク中に、まちの方へのインタビューも何人かお願いしているんですよね。

青砥 はい。温泉のオーナー、ダム管理事務所の方などなど、色々な方にお話を伺う予定です。
今使われている教科書だったり市史だったり、紙に書かれている歴史って、その当時の中心人物を描くものがほとんどです。
つまり、「中心」からの見方に偏ってしまったものだと思うんです。

—— 実はその背景には、普通の人の普通の暮らしや記憶がある。

青砥 そうなんです。でも、そういうものはほとんど記録されることがないんですよね。
地域の記憶はその地域にしかない、固有のもの。後世に伝えられていくべき大事な資源なんです。

—— なるほど。通常「歴史」として語られない地域の記憶をアーカイブ、つまり記録・保存することが今回の大きな目的というわけですね。

青砥 そしてその地域の記憶を、地域の若者や地域内外に知ってもらう機会になればと思っています。

どんな場所にも必ず魅力がある

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—— 先ほど地域の記憶は、そこにしかない固有のものであり続ける、という話が出ました。
そう考えると、どの地域にも必ず人を惹き付ける魅力って絶対にありますよね。

青砥 それは本当にそう思います。そのことは学部生時代のゼミや講義でも学びましたが、個人的に旅行に行ったり、専攻外の社会学のゼミに参加したりしてますます実感しました。

—— 歴史的建造物の多さとかで言ったら京都や奈良がダントツですが(笑)、他の地域にだって、そこにしかないものが絶対ある。

青砥 そうなんです。そういった地域の魅力を掘りおこすことで、外の人にも関心を持ってもらえたり、観光につながったり、という色々な可能性が広がりますよね。

後半へ続く!